【アナログとデジタル】
私の中には、アナログ思考とデジタル思考がある。
仕事面ではデジタルを駆使しているが、音楽や音質に関してはアナログ派だ。
■1981年、パイオニア製の日本初のレーザーディスク(LD)が発売された。価格は20数万円だったかと思う。
やがて、日本ビクターのVHD陣営と販売競争となる。
このレーザーディスク(LD)が発売された事で煽りを受けたのが、ソニーとフィリップス社が開発していたコンパクトディスク(CD)だ。
ソニーは、市場をLD・VHDに取られては大変と、CDが開発途上であるまま製品化に踏み切った。
■その時(1982頃)のソニーのキャッチフレーズが、
【ついに出た!アナログを凌駕する夢の媒体、コンパクトディスク(CD)】だった。
ちなみに、20年後のCD規格を大幅に上回るSACD(スーパーオーディオCD)のキャッチフレーズは、
【アナログに迫る音、SACD】だ(笑)
メーカーのキャッチフレーズが、どれだけいい加減なものかが解かる。
【CDは、レコードより音が悪い?】
音楽に関しては新しい物好きな私なので、当時のメーカーの言葉を信じて1枚4000円以上のポール・モーリアのソフトやジャズ等を買った。
デッキは20万円以上したので、10万円になるまで待った。
だから手元にはソフトだけ有ったが、その中に入っている音は【素晴らしい音だろう】と信じていた。
■だが変だ?
ソニー製のデッキが12万円になった時、やっとデッキを購入したが、レコードよりも音が悪い!
レコードでは静寂の中で綺麗に聴こえる[チャラララーン]の、楽器の音が聴こえない!
[ゴソゴソゴソ]と変な音だ(笑)
これには非常にショックを受けた。
それまで、レコードで楽しんで居た音が、CDからは出て来ないのだ!
■(まだまだ未成熟なのだろう。そのうち良くなるだろう)と思い、新しいCDが出る度に買い続けて居た。
だが、やはり変だ。
聴いていて疲れる?
レコードなら1日中でも平気なのだが、CDは1枚聴いただけで疲れてしまう?
(もしかしたら、CDに何か欠陥のようなものがあるのでは?)と、思い始めた。
■それでもLPで持っていないものが発売されていたので、CDは買い続けた。
結果的には、CDだけでも保有数は3000枚を超えてしまった(汗)
日本発売品だけでは無く、世界のCDを扱う日本中の店から、気に入ったジャンルとアーティストのCDを片っ端から買っていた。
だから、日本製より輸入品が多かった。
■この頃は音質よりも、とにかく音源が欲しかったので、レコードでは聞けなくなっていた音源を集めていた。
日本各地から、時には外国から、毎日のように何かのCDが届いていたが、妻は見て見ぬ振りをしてくれた(汗)
ただし、妻には本を買って、ご機嫌を取って・・(笑)
■そんな私だったが、その頃はすでにCDに対する不信感が芽生えて居た。
どんなに頑張っても、レコードより音が悪く聴こえるのだ。
レコードとCDを同時に走らせて、スイッチで切り替えて【聴き比べ】しているので、聴き間違いでは無い。
音響マニアからも、『CDは、レコードより音が悪い』と言われ始めて居た
そして、(レコードは大丈夫だが)『CDは疲れる』のは相変わらずだった。
■CDの取り柄は、便利さと、レコードでは聞けない音源が発売されている事だ。
だが、音楽媒体としては疑問が残る。
■こんな話をすれば反発する若者が多いが、レコードを聞かせれば一応に彼等は驚く。
「どちらがCDの音か(当ててみろ)」と聞けば、間違いなく【逆】を言う。
レコードの音をCDと言い、CDの音をレコードと言う。
「逆だよ」と言っても、信じてもらえない(笑)
■その気持は解かる。
レコードのような古い媒体が、普及しているCDより劣るとは、認めたくないのだろう。
自分達が慣れ親しんだ媒体が、70年前の媒体に劣るとは、信じられないのだろう。
私だって、そうあって欲しかったのだ。
だが現実は違う。
聴いていて疲れるので、長時間は聴けない。
私は身を持って知った者だ。
【人間は耳だけで聴いていない。可聴帯域を超えた倍音成分(オクターブ音)を身体で聴いている。・・との説】
その原因として第一に上げられていたのが、【帯域】だ。
レコードの帯域は、基本的には【1Hz~∞】だと言われている。
通常は、そこまで必要無いので、CDは【可聴帯域のみ:20Hz~20000Hz】に絞られた。
だからCDには、それ以下の低音も、それ以上の高音も入ってはいない。
■ところが、『CDは聴いていて疲れる』と言う人が増えたので、学者さん達が本気で調べ始めた。
そして解かったのが、【人間は、音を耳で聴くだけでは無く、倍音成分(オクターブ音)を含めて、ひとつの音として体感している】と言う仮説だった。
私も、そうだと思った。
■例えば、1000Hzが基音なら、
15Hz、30Hz、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000Hz、8000Hz、16000Hz、32000Hz~等々を、【ひとつの音】として聴いている。
この倍音成分(オクターブ音)は、音楽では当たり前の事で、ピアノやギターにも含まれている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3
■ところが、デジタルのCDには倍音成分は無い。
1000Hzの音なら、1000Hzのままだ。
これが、聴いていて疲れる原因と言われて来たし、そう思っているので、そう言って来た。
【アナログ音と、デジタル音は、別物】
聴き比べたら解かるのだ。
レコードの方が、断然、音が良いだけでは無く、丸みも厚みもあるし、奥行き感もある。
音に、丸みとか、厚みとか、奥行きとかの表現は変だが(笑)
長年、音の表現として用いられて来た方法だ。
■対してCDは、薄っぺらく、4000Hzあたりの金属音成分が強いので、総じてキンキンした音に聴こえる。
そして、個々の音には【倍音成分は無い】ので、深みが無い。
それが日常の音になっている事に、一抹の不安感を憶えている。
【職場で、デジタル音は疲れるので、アナログ波のFM放送を聴き始めた】
20年前、私が副業店を出した時、「好きな音楽が1日中でも聴ける」と、そちらの方も楽しみだった。
100枚CDチェンジャーを買い、ほんとうに1日中流した(笑)
だが、おかしい?
聴き疲れて、ヘトヘトになる。
「CDの掛けっ放しはいけない」と思い、有線放送に切り替えた。
だが、同じ(笑)・・有線放送もデジタル化になっていたのだ。
とうとう、店内で流す音はFM放送にした。
これなら疲れない。
私のみならず、店員皆が同じだった。
そうした事があり、音楽は好きでも「デジタル音は身体に悪い」が、持論となった。
【音楽成分には、倍音成分(オクターブ音)が必要だと・・】
10日前だったか、「アンタの言う通りをTVで言ってた。書いてあった」と、音好きな人が資料を持って来られた。
「やはり、倍音成分が有ると無いでは、かなり違うらしいぞ」と言われていた。


■また昨日も別の人が、いつも『株やれ!株やれ!』の人だが(笑)、『ワシのスピーカーをネットで70万円で売ってたぞ』と言われた。
「何のスピーカー?」と聞くと、『(タンノイの)オートグラフ』との事。

画像は以下の処から頂きました(無断拝借御免)
http://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/autograph3.html
驚いた。
このスピーカーを鳴らすとなると、それ相応のアンプが要るが、アンプも高価な管球式を持っておられるとのこと。
音楽や音質には無縁の人かと思っていたら、とんでも無い音響家だった(汗)
■ちなみに、この[(タンノイの)オートグラフ]は私も欲しかったが、なにせ2台で150万円くらいしたので買えなかったシロモノだ。
買えば買えたのだが、私は機材に金を掛けるより、ソフト(レコード、CD)を集めていた。
異常なほど(汗)・・異常だけど(笑)
■高級音楽機器を持っている人達と接している内に、「自分の限界領域を出ては危険だ」と思ったからに他ならない。
その分、ソフト(レコード、CD)だけは人並み外れた集め方をしていた。
だが私は【消耗品には金を掛けない主義】なので、売却しても大損にはならないものしか買わない。
だから、見た目には贅沢に見えても、無駄金のように見えても、財産価値があるものを買って来た。
・・こうした話は、次の機会に。
【人工音は、安全なのだろうか?】
いつもの如く、いつも以上に話があちこち飛んだが、なぜに?こんな話を書いているかと言うと、【音楽(音)の安全性】だ。
デジタル音は複合成分が無い分スッキリしているが、「ほんとうに身体には安全なのだろうか?」と、20年以上も考え続けて居る。
■自然界やアナログ音のような自然音(普通の音)とは、【空気振動】を耳で聞いたものを言う。
人間は、この自然音に含まれている耳には聴こえない倍音成分が空気中を伝わって来る音波(非可聴帯域)を、身体中で受け止めている。
要するに、耳だけでは無く、身体中で聴いていたわけだ。
■昔の大型スピーカーは空気中の音を震わせながら伝わって来るが、小型化されたイヤホン・ヘッドホンでは狭い耳管内で聴いている。
難聴になる確率は非常に高い。
それだけならまだしも、自然界の音とは異なる倍音成分を持たない人工音は、人間の脳波や身体波に害はないのだろうか?
それだけが気になっている。
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